生命尊重
生きものを大切にしよう
園庭の木々の緑も一段と鮮やかな季節となりました。幼稚園の生活にも慣れてきて、さわやかな風の吹く中でそれぞれが好きな遊びを楽しんでいます。年少さんが三輪車に乗って年長さんが押してあげたり、砂場では泥団子を作って遊んだり、年中さんは順番を守って固定遊具で遊んだり、鉄棒の逆上がりに繰り返し挑戦する年長さん等々、友だち関係も広がりいろいろな遊びが展開されています。6月1日にはプール開きがありプール遊びも始まります。プール遊びの前には水着に着替えるという年少さんにとっては、やってもらうから自分でやってみるという活動が始まります。脱いだものを裏返して元通りにして畳むことは大変なお仕事ですが、一緒に行ってみることで少しずつできるようになってきます。また、年中、長児もきちんと畳むことが出来るように今一度再確認して保育者と一緒に行ってまいります。どうぞ、ご家庭でも一緒に行ってみてください。そしてできた時にはたくさんほめて下さい。衣類の着脱を通して自分の身の回りの物に関心を持ち、丁寧に扱うことが出来るように援助してまいります。
今月の目標は「生命尊重」です。
生命尊重とは、生きもの、命あるすべてのものを大切にしよう、ということです。では、命を大切にする、とはどのようなことを言うのでしょうか。
お釈迦様は、ご自身の何もかも恵まれた境遇を捨てて、人間の根本的な悩み、なぜ生まれ、なぜ生き、なぜ死ぬのか、ということについて、あらゆる修行を経て、思索を深めていきました。その結果、たどり着いた境地とは、どんなに考えたり、乗り越えようとしても、いのちあるものは必ず移り変わり、必ず死ぬ。また、それがいつ来るかも分からないことである。だからこそ、今、いのちあるこの一瞬一瞬こそがかけがえのない、大切なものだ、いのちとは、まわりのもの全てに生かされているものなのだ、と説かれたのです。
「生き物を大切にする」とは、単にいのちあるものに限らず、その命を育み、維持するために必要なもの、また一見そうとは思われないものまで、すべてのものに及んで、慈しみの心をもつのです。いのちあるものだけを大切にしても、それを取り囲むものが働き合わなけば、いのちは育まれません。
自分自身を見直してみても、他のいのちを犠牲にしているからこそ生きることができるのです。このように考えてみると私達をとりまく環境すべてに対して、慈しみの心をもって接し、感謝の気持ちを持ち続けるように努力していくことが「生命尊重」に繋がっていくのでしょう。
今月はこの「生命尊重」の保育を通じて、身近にあるものすべてに感謝する気持ちを伝えて、いのちあるものもそうでないものも大切にしていく気持ちを育てていきたいと思います。