3月 園長先生メッセージ

智慧希望
希望を持ち、楽しく過ごそう

3月に入りなかなかはっきりしない天候の中、春先の三寒四温といわれる気温の差を日々肌で感じているこの頃ですが、時折訪れる春の温かい日差しに、新しい芽吹きを感じ、新しい生活への期待で胸を膨らませています。
コロナ禍でしばらく見送られていた「小学校訪問」に先日、年長さんが行ってきました。手作りのランドセルを背負って、ちょっぴり緊張しながらも先生の話にきちんと耳を傾けている姿に成長を感じ、進級を控えた子どもたちは「今度は年長さん」「何色バッチになるのかな?」とと日常の中であらゆるもの、雰囲気などから自分が大きくなることを感じ取っています。まだ入園前のお友達もきっと同じでしょう。3月というのは冬の間じっとしていたものが少しずつ動き出して、なんだかそわそわとじっとしていられずに見慣れたものもすべてが新しく見える、そんな時期ではないでしょうか。
さて、この一年間の子どもたちの成長を振り返ってみると「つながり」がキーワードになっていたように思います。クラスの子どもたちのつながり、園内の異年齢のつながり、家庭や地域とのつながりなど、様々なつながりを通して子どもたちはたくさんのことを体験してきたように感じます。年長組の活動を年少組の子どもたちが憧れをもって見たり、真似をしてみたりする。そして一緒に遊ぶ中で、自分たちの目標としてとらえるようになる。また、年長組のお友達は、年少の子どもたちとの関り方を学び、相手を思いやる気持ちをもったり、自ら成長を感じたりする機会になる。それが、運動会や作品展などの行事ではもちろんのこと、日常の保育の中でも担任同士が意識しあって導き合ったことで、子どもたちの育ちにしっかりとつながっていきました。
 子どもたちにとって、幼稚園という集団の中で行われる遊びや生活を通して、そういう体験ができることは大切な学びの機会であることに間違いありません。互いを意識して憧れをもったり、思いやったりを繰り返して「つながり」を感じ、もっとつながっていきたいと思うようになっていきます。園全体がつながりをもって、何事にも取り組んだ一年を大切にして、子どもたちは新しいステップに大きな一歩を踏み出していってほしいと思います。

 今月の保育目標は「智慧希望」です。人は「知識」だけで生きていこうとしますが「知識」だけでは生きていけません。「知識」を調整する「智慧」が必要になってきます。「智慧」とは正しく物事を認識し判断する能力であり、「智慧」のなかで一番重要になるのは「経験」です。様々な「経験」を通して「智慧」を身に着けているのです。物事に見通しを持ち、新しい事態に対する“問題解決”の能力のことです。コロナ禍のような「大きな壁」にぶつかったとき、様々な方法を考え、検討し、乗り越える手段を考えることだと思います。そして「希望」とは未来に望みをかけることです。未来に希望を持つことで、明るく楽しい未来が見えてくるのではないでしょうか。時には思いがけないことが起こったり、困難な状況に追い込まれたりすることがありますが、どんなときにも動揺せず、じっくりと考え、一番良い方法を見つける力をいいます。「智慧」ある子どもたちは「希望」に満ち溢れています。人にとって本当の「智慧」とはこうありたい、こうなりたいという「希望」のなかに生まれ育ってくるものなのかもしれません。
 年度の終わりというのはまた新たな出発につながります。何かとあわただしくなる時期ですが、喜びと充実、そしてちょっぴりと不安になっている子どもたちの気持ちをしっかりと受け止め、これまでともに過ごしたお友達や先生、いつも使っているテーブルや椅子など、すべてのものや人に「ありがとう」の感謝の気持ちが持てるよう、心にゆとりをもった生活が送れるよう心がけていきたいものです。園生活での経験や、一人一人が持っている明るい笑顔を忘れずに、何事にも恐れず未来に希望を持ち、新しい環境に自信をもって踏み出してほしいと思います。

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