一日の中心は遊びです

幼児期の生活は『あそび』そのものです。思いっきり体を動かし、自ら遊びを見出し、多くのお友達と関わり、様々な思考と工夫を巡らせます。これが幼稚園の『あそび』です。あそび体験を通して多くのことを学びます。
まず、体力が養われます。狭いところをくぐったり、広い園庭を駆け回ったり、ボールあそびで敏捷性も養います。そして危険とはどういうことか、何がうまくゆき、何が失敗したかということも解ってきます。

砂場でダム造りをしている子ども達は協力しなくてはダムの作れないことを学びます。転んで泣いている子に「大丈夫? 痛くない?」と、優しく声をかけています。あそびの中で、子どもには運動能力や体力、安全性の知恵、協力したり工夫する心、そして思いやる心が育っています。

感性が育つと知性も育つ

春には、「先生見て、こっちのチューリップの花の色、黄色とオレンジが混ざっているよ」「こっちは赤」 春になると花壇いっぱいに咲くチューリップを見て、いろいろな花の色に気づきます。
夏には、ありの動く様子をじっと眺めて、「先生、ありのお家ってこの穴の中なの?」「電気あるのかなあ」「ご飯は誰がつくるの?」セミのぬけがらを見つけた子どもは、「セミは何処に行ったの?」
秋には、さまざまに紅葉した葉っぱを集めて「この色の葉っぱが一番好き」と。
冬には、たき火のふわふわと立ちのぼる煙を見て「揺れているよ」とか、「地震?」とたずねる子。
時には先生も答に窮する質問に出会ったりします。
「先生もわからない、どうしてかなぁ」「図鑑を見てみよう」「それ、コンピューターに訊いてみようよ」。自ら解決方法を考え出すようになります。
ありのままの自然や物事に気づき、たくさんの疑問や想像力を抱きます。そしていつしか豊かな感性を育み、科学的な探求心に進みます。本園ではその素材や環境をたくさん提供しています。

生活基盤を身に着けます

  • 食事の前には手を洗う
  • おはよう、さようならの挨拶をする
  • 自分の持ち物の整理整頓ができる
  • 遊んだ後のあと片づけをする
  • ちり紙・ハンカチは忘れずに
  • 自分のものと他人のものと区別できる
  • トイレからでたら手を洗う

どれをとっても大人にとってはあたり前のことですが、幼児期にこのあたり前のことも毎日繰返し、いつしか生活習慣の基礎が形成されてゆきます。

たくさんの言葉を獲得します

人として生まれた一番の特権はことばの獲得と言われています。

  • トイレに行きたいのに先生は声をかけてくれない。
  • 一緒にままごと遊びをしたいのに入れてくれない。

入園当初はよくこういう光景を目にします。「水」というだけでコップに入った水が出てくる。お母さんと子どもとの関係では当たり前のことになっていませんか?
でも、社会生活の中では自分のして欲しいこと、思っていることを相手に伝えて初めて相手は理解してくれます。

「トイレに行きたい」「友達と遊びたい」「水が飲みたい」と先生を通して意志を伝えるようになります。
幼稚園での生活に馴れてくると、「僕、トイレに行ってくる」「入れて」「水飲んでくる!」と表現できるようになります。
こうして、集団の中で自分の思っていることを相手に伝える、相手の話すことを聞く。この繰返しの中で子ども達はお互いを理解しあうようになります。
絵本を読んでもらったり、紙芝居を観たり、「ことばあそび」を通して内容を理解してイメージを広げたり、こんどは自分のことばで表現してことばの仕組やより多くの言語感覚を身につけていきます。

命を大切にします

「アヒルは何を食べるの?」「ニワトリさんと同じものだよ」「昨日パン食べていたよ」「昨日より大きくなったみたい」「おじさん、キャベツありがとう」と近くの食堂へキャベツをもらいにいく飼育番の子ども達、「ウサギってあったかいね」「どきどきって動いているよ」と心臓の鼓動を聴いている子、「お腹大きいみたい」と、うさぎの赤ちゃんの誕生を心待ちにしている子…

生命は目に見えないものですが、小動物の飼育を通して生に好奇心を抱き、生命の維持や成長に関心を向けるようになります。そして、相手の生命に気づき大切に思うところに愛情が育まれ、そして自分の生命も大切にする教育をしています。

感謝する心を育てる

とかく自分中心になりがちなのが社会生活の一面です。自分の周囲を見渡してみると、一人では生きていられないということに気づきます。
北川口幼稚園では、毎朝手を合わせて心静かに今日一日の無事を祈り、帰りにはその無事を感謝し、食事のときは美味しい食事を作ってくれた人や食材に感謝の心を伝えています。そして、敬老の日、母の日、父の日や、勤労感謝の日等を通して大勢の人に支えられていることを思い、また植物の栽培を通して自然の恵みにも感謝する心を養っています。

英語で遊ぶ

ヒヤリングと発音の基礎は5歳までといわれています。
幼児は2歳頃から母国語による伝達手段を身につけています。残念ながら現在の学校教育で国際社会に通用する英語力を修得することは困難です。当園では、日々の遊びの中で楽しくヒヤリングと発音を身につけていますが、決して早過ぎることはないと考えています。