精進努力(しょうじんどりょく)
目標に向かって最後まであきらめず、努力をしましょう。
朝夕の冷え込みが激しく、急に冬の訪れを感じる頃となりました。運動会ではコロナ禍ではありましたが温かい拍手と励ましの言葉を頂きありがとうございました。運動会を経験した子どもたちは、やり遂げた達成感からか自信をつけ、ひと回りも二回りも大きく成長しました。天気のいい日には園庭で秋の自然を肌で感じ、落ちている落ち葉を拾い集め大きさを比べたり、葉っぱを並べて形を作ったり、おままごとの材料にしてみたりと、環境を十分に生かした遊びを楽しんでいます。また、一人一人の興味関心も深まり、自分なりに取り組んだり、友だちとのかかわりを楽しんだりする姿が見られるようになります。お買い物ごっこのに必要な品物を作ったり、ハロウィンの衣装作りも皆、個性豊かなものが出来ました。自分の思いも発揮しながら友だちの意見にも耳を傾けるようになったことも成長の一つです。自己主張のぶつかり合いからのトラブルもありますが、相手の思いに気づくように共に活動することの楽しさを味わえるよう、一人一人の思いに寄り添って保育してまいります。
11月の保育目標は「精進努力」です。「精進」とは精を出して進む、つまりコツコツと一生懸命努力を積み重ねることです。仏教の言葉で「無上道」という言葉があります。どんな分野でも一流とか達人と言われている人がいます。しかしどの分野でもその道を究めることは大変なことです。その道にも上には上があり頂上はありません。仏の道にも頂上はありません。高みを目指してコツコツと勇気をもって歩む、これこそが真の仏教の生き方なのです。常に自分を見つめ努力し続ける人は、高みに登れば上るほどその先に更なる高みが待っていることに気づきます。また、自分が努力を重ねるとき、周りの人もそれぞれに皆努力を重ねていることに気づきます。目指しているレベルや分野は違っても努力していることには違いありません。その尊さに気づくと自分は謙虚になり、他者を敬う心が深まります。この境地が仏教で行く本当の「頂上」と言えるでしょう。その反面一番恐ろしいのは慢心です。「自分は一番なんだ」そうした慢心が周囲を見下す心を生み出し、努力する心を忘れさせてしまいます。どんな小さなことでもコツコツと続けていくことで、自分一人ではないことに気づき、共に努力する存在に時には励まされ、くじけそうになった時にもやり遂げる力が湧いてくるのだと思います。
このように幼稚園では「最後までやり遂げよう」という保育目標のもとで行っています。一人一人目標とする事柄は違ってもコツコツと努力を積み重ねていく、その過程が大切になります。みんなが努力しているんだということを気付き、認めていくところから始めていきたいものです。
8日には立冬を迎え寒い冬に向けて、冬支度が始まります。秋から冬へと変わりゆくこの頃。 衣服をこまめに調整しながら、これから一段と寒くなる季節に負けず、元気いっぱいに戸外遊びを楽しんでいきたいと思います。 引き続きご家庭でも体調管理には十分のご配慮をお願いいたします。