報恩感謝(ほうおんかんしゃ)
長い夏休みが終わり、元気な子どもたちの声が戻ってきました。夏期休暇中におきましては、ご家庭での感染予防にご協力いただきありがとうございました。変異種に移り変わり、子どもへの感染経路や今後の拡大が気にかかるところですが、保育活動は引き続き感染拡大防止マニュアルに基づいて安全第一で行ってまいりたいと思います。また、人と人が接触する機会を減らす観点におきましては、幼稚園という性質上限られた範囲内になってしまいます。今後の情勢を見極めながら、必要に応じて保育の形態を変えて行っていくことも予想されます。ご家庭におかれましては、園での状況を速やかにお伝えしながら、感染拡大防止にご協力いただけますようお願いいたします。
9月の保育目標は「報恩感謝」です。
8月の「お盆」には、例年であれば、おじいちゃんのおばあちゃんの家に行って、お墓参りをしたり、ご先祖様をしのび家族団らんの時間を過ごされることと思いますが、今年は大方ご家庭で過ごされたことでしょう。「お盆」とは縦のつながりを感じられる行事だと思います。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そのまたおじいちゃんとおばあちゃん、ずっとずっとつながっています。そして今、ここにいる私にまでつながっている「いのち」の不思議さを一緒に共有するものです。ご先祖様に感謝してあらためて「いのち」の尊さを見つめる日本の伝統行事がいわゆる「お盆」と言われているものです。この「いのち」のつながりは人間同士だけではありません。あらゆるものにあるものです。秋に収穫を迎えるおいしい食べ物にも「いのち」でつながっています。私たちは「いのち」を頂いて今ここに生きていくことが出来るのです。これから迎えるお彼岸も「いのち」の恵みに感謝する行事です。
今月はこの「報恩感謝」の気持ちを受けて、みんな一人では生きていけないこと、家族や親せきや友達や先生がいつも一緒にいてくれるからこそ、楽しく過ごすことが出来るという「あたりまえ」のことをあたらめて見直し、思いやりや感謝の気持ちをもって接してまいりたいと思います。また、今、問われています環境問題についても「誰かがやるからいい」とか、「少しくらいなら平気でしょ」ではなく、限りある自然に対しこの環境の恵みに対して、日頃からの感謝の気持ちや態度が大切ではないでしょうか。
このような気持ちをもち、又しないではいられない素直な心を子どもたちに、育ってほしいと思います。そのためにはまず、子どもたちの歩む道を先に歩んでいる私たちがその気持ちをもって過ごせるように心がけたいものです。
二学期に予定されている運動会、作品展など、コロナ禍にありながら経験を通して、子どもの成長を見て喜びあえる時間がご家庭と共有できるような状況になってくれることを今はただ祈るばかりです。そして、そんな中になりながらも、日々子どもの小さい成長の芽を見逃すことのないように、保護者との連携を大切にして互いに喜び合える時間をもってまいりたいと思います。どうか、保護者の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。